静けさが戻っています。タンク一杯にお米が入っています。

新潟日報  「日報抄」より転載  10月30日

 朝の炊きたてご飯は食欲をそそるだけでない。まぶしい白さは、新しい日の始まりを告げる合図のようにも思える。そのご飯をぎゅっと握ったおにぎりを食べると、元気がわいてくるという人は多いかもしれない

▼2014年度の「お米・ごはん川柳」最優秀賞は、新潟市の橋立英樹さん作〈にぎり飯 決して初心 忘れない〉だった。日本人の食の原点、初心を象徴するご飯である

▼新婚さんの初々しさを詠んだ古い川柳に〈花嫁は飯を数えるように食い〉というのもある。おしとやかだった花嫁も、やがて頼もしくなり、家計を算段するようになる。〈どこからか出して女房は帯を買い〉

▼へそくり上手を褒められるならいい。政治家のカネに疑惑が生じるたびに引っ張り出される妻はたまったものでない。望月義夫環境相の後援会の政治資金収支報告書に実際と異なる使途で660万円の支出が記載されていた。何に使ったかは謎だ。大臣いわく「妻が(支出を)付け替えたと推測する」。妻は故人である

▼前都知事の猪瀬直樹氏や、みんなの党前代表、渡辺喜美氏が大金を受領したり、借りたりした疑惑を追及されたとき、釈明の言葉に「妻の貸金庫」や「妻の口座」が登場したものだ

▼誰にも過ちはあろう。正直に説明すれば、聞く耳を持たない人はいない。「妻が」「秘書が」「事務所が」と言い訳を重ねては潔白の証しを立てるのは難しい。逆に白い目で見られるのではなかろうか。白いご飯でも食べて初心に帰ってもらいたい。

【日報抄】 2014/10/30