山法師の実です。花もきれいですが実も赤くてきれいでかわいいです。
拓大の正門前の一株でした。

東京新聞「筆洗」より転載   2014年10月26日

 <母さんは 母さんは/雀(すずめ)の言葉が よくわかる/ひとりで茶の間に いるときは/どびんの唄さえ よくわかる>。サトウハチローの「母さんのウタ」だ▼母をうたう詩を生涯で三千以上も書いた詩人をたたえて、岩手県北上市などは「おかあさんの詩全国コンクール」を開いている。今年の最優秀賞に選ばれたのは、「おかあさんのみみはじごくみみ」。愛知県西尾市の小学一年生、樋渡凪(ひわたしなぎ)ちゃんの作品だ▼凪ちゃんはお菓子が大好き。でも間食すればきちんとご飯が食べられないからと、お母さんは好きに食べさせてはくれない。でも、お父さんはちょっと甘い。二人でひそひそ小声でお菓子を食べる相談をしていると、隣の部屋にいるお母さんが「だめ!!」▼どうして、お母さんには内緒の話まで聞こえてしまうのか。お父さんは「お母さん、地獄耳だねぇ」と言う。ジゴクミミって何だろう。何だか怖そう、嫌だなと思った凪ちゃんに、お父さんは言う。「お母さんの地獄耳は凪の話をよく聞いてくれてるからだよ」▼<おかあさんのみみは/じごくみみ/わたしのはなしをよくきいてくれる/だいすきなみみ/おかあさん/きょうもおはなしきいてね>▼凪ちゃんのお母さん、千里さんは「遠くで遊んでいても、わが子の声だけはすぐに分かるんですよね」と笑う。すてきな地獄耳に泉下の詩人も目を細めることだろう。

山法師の実からも話し声が聞こえてきそうです。