石油価格が下がってきて大変結構ですね。苦しい話が続く中での朗報です。ガソリンも下がってきて移動にも明るさが出てきました。。これってアベノミクスは関係ないですよね?


紀伊民報「水鉄砲」より転載

川柳が表す哀歓」
 17文字、あるいは31文字で人生や自然を詠み、時代と切り結ぶのが俳句や短歌である。川柳もまた、短い言葉で人生の哀歓を表現する。

 ▼例えば、全国老人福祉施設協議会が募集した「60歳からの主張・川柳の部」で入賞した作品がある。優秀賞に選ばれたのは「ポイントがつけば忘れぬ診察券」。千葉県流山市の久我久義さん、63歳の作品だが、思わず「そうだ、その通り」と手を打つ方も多いのではないか。

 ▼特別賞の2点は「お若いといわれた店が行きつけに」(東京都・梶浦公靖さん、67歳)と「絶対に先に逝くなと猫に言う」(岡山市・光畑勝弘さん、80歳)。ともに老齢になって初めて分かる心境だろう。少しばかりの哀愁と笑いがほどよいバランスで同居している。

 ▼入賞作品で面白かったのは「延命の治療はするなと書いて消し」(横浜市・瀬古修治さん、69歳)と「婚活と勝負服着てデイケアへ」(広島県三原市・得能義孝さん、72歳)。「書いて消し」が表わす心の揺れに共感し「勝負服着て」行く先がデイケアという現実に思わず苦笑する。

 ▼年輪を重ね、世の辛酸をかみ分けた末に到達する気持ちのゆとり。それがあって初めて可能となる表現だろう。悲しいことは笑い飛ばし、笑いの中にチラリと哀愁をしのばせる。その微妙なさじ加減が作者の腕である。