今月の日照時間も増えてきましたね。2月下旬のような感じです。
まだまだ寒さは序盤、気は抜けませんけどね。

京都新聞「凡語」より転載
白鵬が受け継ぐもの
 ▼夢の中で名横綱双葉山と相撲を取らせてもらった、と白鵬の自著「相撲よ!」にある。とてもリアルだったという
▼それほど繰り返しDVDを見て研究したそうだ。おそれ多い存在だが、少しでも近づきたいとの一念。目をみはったのは、双葉山が勝ちに行く相撲を取らないことだったという
▼双葉山、そして角界の父と仰ぐ大鵬に学び、あるべき横綱像を追い求めてきた。そして前人未到の33回優勝。これで歩みを止める横綱ではない。全勝で花を添えた千秋楽。「大鵬親方を数字では超えたが、精神的にはまだまだ」
▼15歳で来日。身長175センチ、体重68キロではスカウトの目に止まらず、宮城野部屋に拾われた。それでも親方らはスケールの大きな関取にと大鵬、柏戸にあやかり、しこ名を「柏鵬」にしようとしたそうだ
▼四股や鉄砲、すり足など伝統的な稽古に人一倍汗を流す。他の力士が取り入れる欧米流の筋力トレーニングは相撲の動きに合わないと批判的だ。相撲は格闘技ではない。競技に違いないが、神事であり芸能の要素も含む。横綱の品格や所作の美しさを、白鵬は何よりも大切にする
▼相撲の起源に、南伝説と北伝説があるそうだが、そこからモンゴルの草原を思い浮かべてもよかろう。国技の粋を白鵬が受け継ぐ。スケールの大きな関取だ。
[京都新聞 2015年01月26日掲載]