山道に彩りを添えてくれています。
曇り予想の毎日でしたが結構日照が有りますね。


東京新聞「筆洗」より転載  2015年6月26日

 誰が言ったのか定かではないが、こんな警句がある。<宝くじとは、数学が苦手な人たちへの課税である>。年に数回はその手の「税」を払い、しかも数字に弱い身としては、苦笑せざるを得ない言葉だが、この国の政府はそういう増税にも熱心なようだ
▼江戸時代には盛んに行われていた富くじを、明治政府は禁じた。その禁じ手に政府が手を出したのは、七十年前の七月。「勝札」と称し戦費調達を狙ったものの、すぐ敗戦となり「負け札」と皮肉られた
▼戦後は宝くじが発売されたが、それはあくまでも戦災復興のための窮余の策。本来は経済復興に伴って早々に廃止するはずだったのだ
▼だが一度味わった禁断の果実は手放せないのだろう。ナンバーズにロトにtoto…。今や覚えきれぬほどのくじが売り出されている。この国のギャンブル依存症の人の割合は他の先進国に比べてかなり高いというから、考えものだ
▼それなのに、東京五輪の主会場となる新国立競技場の建設さえ、ギャンブル頼みになりそうだという。当初は千三百億円とされた整備費が膨らみに膨らみ、二千五百億円ほどに。より堅実な計画を求める声が広がっているが、政府は「スポーツ振興くじ」の収益などを頼みに、突っ走る構えだ
▼身の丈に合わぬモノを手に入れるために、賭け事に手を出す。これは、典型的なギャンブル依存症ではないか。