北海道らしい樹木ですがすっかり少なくなってきました。樹高が高くて風当たりが強いので倒れても影響のないところでしか植えられないせいでしょうか。スーッと伸びて気持ちが良いんですけどね。

涼しげな風が抜けてきます。秋っぽいな。

琉球新報「金口木舌」より転載  2015年8月22日 6:00

対馬丸から71年
 71年前の8月22日午後10時12分。「真珠湾の復讐(ふくしゅう)者」の異名を持つ米潜水艦ボーフィンが、子らの眠る対馬丸に魚雷を発射した
▼乗客が逃げる間もなく、攻撃開始から10分ほどで対馬丸は沈没した。子どもたちは父母を呼び、助けを求めて叫んだという。奪われた命は疎開学童780人を含む1485人(氏名判明分)。レーダーで船団を捉えた潜水艦は悪石島付近で待ち伏せした
▼その名は北米の東に生息する淡水魚ボーフィンに由来する。獲物を待ち伏せして敏捷(びんしょう)に仕留める食欲旺盛な捕食魚だ。しかしそのボーフィンは、獲物ではあり得ない疎開児童や住民の命を海に沈めた。辛うじて生き残った者も、洋上での漂流やその後の厳しい箝口(かんこう)令で生きながら地獄を味わった
▼沖縄戦に7カ月も先立つ当時、南西諸島の海では既に戦争が始まっていた。疎開や引き揚げ者の乗る船が撃沈され、米が制海権を握る危険な海だった
▼前月7日にサイパン戦終結、沖縄での地上戦が濃厚となって軍事を優先した政府が「足手まとい」の子どもや老人を疎開させる閣議決定をして間もなくのことだ。撃沈の夜、洋上には台風が接近し、命からがら脱出した海で高波にさらわれて溺れる人もいたという
▼当時の海を思い出させるかのように、台風15号が今、沖縄に近づいている。海の底に沈んだ人たちの無念をもまた想起したい。