どうって事はないのですが良い感じでした。

北海道新聞「卓上四季」より転載 08/27 10:30
正直者
新潟県に「天福地福」という昔話が残っている。ある村でお隣同士が初夢を教え合うことに。正直者と呼ばれる男が天から福を授かったと語れば、隣の欲張り者は地から福をもらったと言う
▼正直者が畑を耕していたら財宝が詰まったかめが出たので隣人に教えた。だが欲張り者が開けるとヘビばかり。怒って正直者の家の屋根でかめをひっくり返すと小判が降ってきた―
▼同様の逸話はイソップの「金の斧(おの)」をはじめ世界中にある。ウソをつかず額に汗して努力する人は好感を持たれる。間違いがあっても素直に認めるならば許される。正直の価値は古今東西、変わらないらしい
▼選挙のたびに「正直者がばかを見ない政治を」と訴えるセンセイたちの世界はどうか。安保関連法案の質疑で「イスラム国」への軍事作戦支援について、防衛相は法案上可能と認めた。禁止を明記していない以上、正直な答弁だ
▼安倍首相は「政策判断としては全く考えていない」と述べた。いつまでそう言い続けるのか。いずれ判断を変えるようにも聞こえる。見方を変えれば、本音丸出しの正直な答えかもしれない
▼「論語」にこんな一節がある。羊を盗んだ父を告発した子を正直者とほめた人に、孔子は「子は父のために隠す。それが正直者」と答えた。正直といってもいろいろだ。こと政治に関しては何が国民にとって正直なのか、しっかり目を凝らさないと。
2015・8・27