時間は決まったように黄昏を演出します。一日は希望を感じる日の出から生き生きとした日中を経て静かな黄昏を迎えます。甘利にも甘かったようです。

長崎新聞 「水や空」 (2016年1月29日更新)
甘利氏辞任
 ▼大臣を辞める、と言った後の口調の変化が興味深かった。「なあんで、そんなに(時間が)かかるんだって言うけど、これだけやったら」と調査の中身に胸を張り「いい人とだけ付き合っていたら選挙に落ちちゃう。小選挙区だから」とあけすけな本音まで語り始める始末 ▲「政治とカネ」をめぐる疑惑を週刊誌で詳細に報じられた甘利明経済再生相が28日、閣僚辞任を表明した ▲大きな決断を明かした途端、ご当人の声や表情に張りが戻る光景は別の政治家の退任会見でも見覚えがある。これにて一件落着、と思う気持ちが、そうさせるのかもしれない。だが、何も落着などしていない ▲例えば、考える。甘利氏が2回にわたる受領を認めた「50万円」入りの封筒やのし袋って、いったいどれぐらいの厚さなのだろう。全部新札だと想像するより薄いのだろうか ▲そんなものが客の手土産と一緒に入っているのを見つけても、驚いたり慌てたり騒いだりせずに「適切に処理しておきなさい」とスタッフに指示する政治家の姿はどうだろう。それが政治の周りの日常的風景ということか ▲お待たせしたが今できる説明は済んだ、それに私は辞めるのだ-最後には明るささえ感じた会見に、問題の根深さをあらためて思う。もう一度書く。まだ何も終わってなどいない。(智)