今年は氷で覆われる事はなさそうです。このさむいのに川岸でお休み中です。足は冷たくないんでしょかね。


紀伊民報「水鉄砲」(2016年2月1日更新)
「『地方創生』の本気度」
 ▼伊藤忠商事元会長、丹羽宇一郎氏に「エリートは、できない理由は百でも考える。できる理由を一つでも考えてやってみろ」という言葉がある。頭のよい人は困難なこと、新しいことをやりたがらない。だからこそ挑戦することが大切という意味である。 ▼この言葉を思い出したのはほかでもない。先週、政府の主催した中央省庁の地方移転に関する意見交換会で、候補となっている七つの省庁の大半が「できない理由」を並べ立てて移転に反対したからである。 ▼和歌山県が移転を求めている総務省統計局は「総務相や各省庁との関係からデメリットは大きい」「東京を離れることで統計業務の迅速性や正確性が失われる」などと反論。京都府が要望している文化庁も「法案や予算に関する他省庁との連携に課題が生じる」と反対した。 ▼他の機関も「企画立案機能を東京から引き離すのは難しい」(観光庁)「地方に分散すると効率性を損なう」(特許庁)などと反対の理由を述べた。▼本来、政府機関の地方移転は政府の「地方創生」政策の一つとして政府が打ち出した話である。2014年末には閣議決定もしている。それを受けて「土地は無償貸与、建物の改修工事費も負担する」(和歌山県)とまでいって誘致すると、現場の役人が「できない理由」を列挙して反対する。 ▼おかしな話である。本当に地方の衰退を食い止める気があるなら「できる理由」を一つでも考えたらどうか。(石)