月齢14.5だからほぼ満月。東の空に出ていました。もやっとして丸いだけでした。
自分もなんとなくもやっとしている咋今です。

愛媛新聞「地軸」2016年02月21日(日)
閉店商法
 ▼「もうあかん やめます!」の垂れ幕を掲げ20年以上。閉店すると言い続けていた大阪の小さな靴店が、きのう本当に閉店した。理由は店主の体調不良  ▼約40年前に開業し、格安販売で人気を得た。だがバブル崩壊で客は激減し、閉店の危機に見舞われた。店主は苦境に立つ心情をそのまま垂れ幕に表現した。これが客の心に届き、不況の荒波を乗り越えた。客足は戻っても「閉店セール」は続けてきた  ▼安売りの買い得感と「今だけ」の響きが、消費者の購買意欲をくすぐる閉店商法。「店じまい」を常時うたう店は全国各地にある。長期間続けると景品表示法の不当表示に該当する恐れもゼロではない。客の側が「しゃれ」と理解してこその商売の機微  ▼「やります」と政治家が国会で約束し、3年余りも放置しているのはどうか。当時の野田佳彦首相と安倍晋三自民党総裁が衆院定数削減に合意して衆院を解散。自民は今すぐ実行するかのように有権者に訴えながら、政権交代した途端にトーンダウン。「身を切る改革」を先送りして「得」をしたのは衆院議員  ▼おととい、安倍首相がようやく早期実現を表明した。今夏の参院選をにらんで、約束違反の批判をかわす狙いがある。だが再度の「やります」は有権者の胸にすとんと落ちまい  ▼首相も口先だけではなく「本当にやります」と書いた垂れ幕を掲げてみてはどうだろう。「もうあかん」と投げ出すことがないように。