数日前の夕方の一コマです。

長崎新聞「南風録」(2016/ 3/23 付 )
 ▼鹿児島県内のある地方議員が雑談していた議長からクイズを出された。本会議中、トイレなどで議場を出入りする回数の多い議員は誰か。きちょうめんだった議長は事務局にチェックさせていた。 ▼出たり戻ったりを繰り返していたのは複数いて、いずれもベテランだった。トイレのついでに一服しては、携帯電話を見たりしていた。その後も当選を重ね、今も現役の議員がいる。外でサボる癖は改まっただろうか。
 ▼こんな残念な昔話を思い出したのは、衆院外務委員会での松島みどり元法相の振る舞いにあきれたからである。ネット中継に気付かなかったらしい。今月初め、答弁する岸田文雄外相の横で携帯電話をいじったり読書したりしていた。 ▼質疑に関心がないのか、隣の議員に話しかけ、何度もあくびをしては居眠りときた。議場の外でサボる方がまだかわいい。あまりの行状に批判が集まり、松島氏は事務所を通して「一連の所作に弁解の余地はない」と平謝りした。
 ▼そもそも最近の自民は目に余る。石破茂地方創生相が法案を読み間違えたかと思えば、林幹雄経産相は原子力政策の答弁で立ち往生し、勉強不足を認めた。国権の最高機関である国会でのたるみぶりに驚く。 ▼「愚者の百行より智者の居眠り」との言葉がある。選良としての役割を果たせないのなら、議場と言わず、いっそ国会の外へ出ていってもらって構わない。