2014年08月
秋の風情が漂っています。
今朝の気温は11度とか・・・。
今日は東京新聞 筆洗から転載 2014年8月25日
▼寸法詐欺という詐欺がかつてあったそうだ。終戦直後を描いた井上ひさしさんの『花よりタンゴ-銀座ラッキーダンスホール物語』の中に出てくる。狙われたのは子ども。昔の話とはいえ、手口を聞くと無性に腹が立つ▼子どもが洋服を着て遊んでいると上品そうな女性が近づいてくる。「うちの子にも着せたいから、洋服の寸法採らせてくれない」。子どもなので脱いで貸す。女はそのままどこかへ消える▼服など現在ではいくらにもならないが、物のない当時のことでこんな詐欺も横行したのか。親がやっとの思いで買い与えた服を、子どもの「優しさ」に付け込んで奪うやり方が嘆かわしい▼気の毒な方のお宅を狙って金品を盗む。終戦直後ではなく現在の話である。土砂災害の広島市安佐北区で空き巣被害が発生しているという。ある民家には警察官を名乗る人物が避難を促してきたが、偽者。避難させてその間に盗みを働こうとした可能性もあるそうだ▼被災地泥棒に嫌な気分になるのは、困っていることを知りながら、それを狙った情け容赦のなさ。被災地泥棒は既に苦しむ現地の人の心に追い打ちをかけ、二重三重の傷を負わせる▼現地に捜索支援ボランティアがたくさん来ている。「善」が目方で量れるのならば、現地では「善」が「悪」を大幅に上回っているだろう。それだけにその「悪」が悲しく残念でならぬ。
人の優しさにつけ入る詐欺は許せないが。人の不幸につけ込むのは尚許せない。こんな人は号泣もしないだろう。
夏と秋とが行ったり来たりする季節になりましたが、季節は収穫期に入っています。8月も終わりに近づいてきました。
気持ちの良い朝を迎えています。豪雨の被害に見舞われた地域の皆さんには心痛みます。特にまだ発見されない広島の被害者の方の一刻も早い発見を祈るばかりです。