沖里河展望台の導入路ですがヤマウルシの紅葉が出迎えてくれました。
琉球新報「金口木舌」2015年9月21日
西ニツカレタ母アレバ 行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ-。宮沢賢治の名作「雨ニモマケズ」の一節だ。詩は「生・老・病・死」の四苦に苦しむ人々を慈しむことを説いている
▼21日は宮沢賢治忌。賢治は自然や人を尊び、慈しんだ。詩人は私欲に走らず、自己犠牲の精神を貫いていたから、高齢者を取り巻く日本の現状には心を痛めているのではないか
▼19日、大阪市の特別養護老人ホームで、職員が入所者女性に対する殺人未遂の疑いで逮捕された。職員は「日々の介護に疲れた」と供述している。神奈川県川崎市の介護付き有料老人ホームで明らかになった入所者への虐待など、同様な事件が相次いでいる
▼長年、社会に尽くしてきたお年寄りの人生の最終盤。「虐待」「暴行」の日々で死を迎える幕切れは何とも悲しい。先達を敬うことはもちろんだが、もう一度、賢治が詩に託した、人に対する思いやりの気持ちを心に刻みたい
▼日本生命保険が16日発表したアンケート結果で、老後に住んでみたい都道府県の1位は沖縄だった。2位は東京、3位は北海道で、ニッセイ基礎研究所は「人気の観光地が上位になった」と分析した
▼ただ観光地と住みやすさは別だろう。沖縄は期待通り、高齢者に住みやすい地域になっているだろうか。「敬老の日」の21日、お年寄りはもちろん誰にとっても暮らしやすい社会に、と心から願う。
2015年09月
雲海が厚そうだったので音江山まで行って見ました。
やっぱり納内だけ霧は無く、一已13丁目辺りから西に掛けては厚い霧に覆われていて八時過ぎても晴れません。
旭川方面から霧が流れ込んでいるように見えます。
随分壊れたのもありますが、さすが焼き物なので長持ちしてますね。
北海道新聞「卓上四季」より転載 09/20 10:18
国会前
きのう未明の国会前は小雨の中、多くの人々が「憲法を守れ」「反対」を叫んでいた。お年寄りや婦人もいた。学生や労組中心の60年や70年安保と違う光景は不戦の意思の深さと広がりを示すと信じる▼戦後70年、安全保障の論議の背後にはつねに先の大戦の反省と教訓があった。さまざまな曲折はあったが、自衛隊は海外での戦闘に一度も参加しなかった。隊員は1人の戦死者も出していない。非軍事に絞った国際貢献とともに、それらを誇りとしてきた人は数多いだろう▼安全保障関連法の採決強行はこうして積み上げてきた平和国家の歩みを断ち切るのに等しい。政府・与党は法制の必要性について「国際情勢の変化」を強調する▼確かに中国の海洋進出や北朝鮮の核は脅威だ。残忍なテロも相次ぐ。しかし、それに対応する手だてが個別的自衛権の整備や外交努力でなく、違憲が指摘される集団的自衛権の行使容認までなぜ飛ぶのか。理解できない▼集団的自衛権は日本への直接の攻撃がなくても海外での武力行使を認める。過去の戦争はほとんどが「自衛」の名の下に始まった。歴代政権が認めなかったのは憲法の制約だけでなく、その危うさを胸に刻んでいたためだろう▼安倍晋三首相は「国民に粘り強く説明を行っていく」と述べたが、今後、憲法学者らの違憲の提訴が相次ぐ見通しだ。不戦を訴え続ける人たちを甘く見てはならない。2015・9・20