強風や大雪の被害を与える冬ですが贈り物もくれるので嫌な事ばかりではないです。
日曜日には寒波が南の方にも降りてくるようです。沖縄でも雪が降るかも、ですって!
下野新聞「雷鳴抄」1月22日 05:00
犠牲のシステム
♪この国が平和だと 誰が決めたの? 人の涙も渇かぬうちに アメリカの傘の下 夢も見ました 民を見捨てた 戦争の果てに:。サザンオールスターズの「平和の琉歌」は、沖縄民謡調のメロディーに乗せて、米国による沖縄占領と今も残る米軍基地の実相を切々と歌う▼沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題がニュースで流れるたびに、この歌の調べが頭をよぎる。県民の度重なる「ノー」の声をよそに、政府が辺野古での埋め立て工事を本格着手しようとする事態をいったい、どうとらえればいいのだろう▼「犠牲のシステム 福島・沖縄」「沖縄の米軍基地」などの著書がある、東京大大学院教授の高橋哲哉(たかはしてつや)さん(哲学専攻)の講演を都内で聞いた。その主張は明快だ。沖縄の米軍基地は本土で引き受けるべきものであると▼その理由として、日米安保条約締結による同盟関係について8割を超える世論が「強化すべきだ」「今のままでよい」と答えている点を挙げる。日米安保は基地を認めることにほかならない。よって狭い沖縄に押しつけるのではなく本土で引き受けるのが妥当というのだ▼基地の引き受け実現は容易ではないが、遠い南の島のできごとではなく、本県を含め本土に住む一人一人が深く考えるべき問題だろう。24日は宜野湾市長選の投開票日。
2016年01月
深川地区は大荒れの道内でも特別地区のようです。何の変りもなく一日を経過しました。ただ雲の流れが北から南へと・・・。低気圧の西側だからなんですね。
福井新聞「越山若水」(2016年1月20日午前7時25分)
▼あれからはや1年。昨年1月、世界的なベストセラーとなった経済書「21世紀の資本」で注目を集めたフランスの若き経済学者、トマ・ピケティさんが来日した▼600ページを超える大著の論旨を要約すれば、資本主義の中では格差がますます拡大する。持てる者はより豊かに、持たざる者はより貧しくなる―というものだ ▼折しもわが国では「アベノミクス」の効果が大企業や資産家に偏っていると批判が出ていたころ。恩恵はいずれ上から下に波及するという政府説明に一石を投じた ▼ピケティさんの指摘そのままに、不平等は解消されるどころか今も拡大しているようだ。7面の経済記事によると、昨年の世界の最富裕層62人と、下位50%の36億人が保有する資産は匹敵するという ▼5年前には最も裕福な388人と下位50%の資産が同等だったから、持てる者がより豊かになったことは一目瞭然だ。一方で持たざる者は教育も医療も満足に受けられない ▼格差是正の処方箋は? ピケティさんの提言はいわば「富裕税」の導入である。まず累進課税によって金持ちにもっと所得税や相続税を払ってもらう ▼次いでタックスヘイブン(租税回避地)にある「隠された富」に国際的な協力で課税を図るという。しょせん学者が唱える理想論との悪口もあるが「格差拡大は政治の無策」とピケティさんの一喝(いっかつ)が聞こえそうだ。
光と影とが美しくてついつい撮ってしまいます。
中日新聞 「中日春秋」2016年1月19日
▼<うし/しんでくれた ぼくのために/そいではんばーぐになった/ありがとう うし>。谷川俊太郎さんが詩を書き、塚本やすしさんが絵を描いた『しんでくれた』は、いのちをいただくことを問う絵本だ ▼うしだけでなく、ぶたも、とりもさかなも死んでくれる。でも、ぼくは死んでやれない。<もししんだら/おかあさんがなく/おとうさんがなく/…だからぼくはいきる/うしのぶん ぶたのぶん/しんでくれたいきもののぶん/ぜんぶ> ▼だから手を合わせて、「いただきます」。食とはそういう営みなのに、このところ連日、どうにも違和感のある食のニュースが続く ▼大手カレーチェーンが、異物混入の恐れがある大量のカツの処理を産業廃棄物処理業者に託したが、不正転売され、店頭に並び…。廃棄されるものが食卓に、とはぞっとする話だが、違和感の原因はそれだけではあるまい ▼廃棄の対象となったのは、チキンカツ二十四万枚、ロースカツ十五万枚、ビーフカツ九万枚…と聞けば、どれだけの「いのち」が大量生産と大量消費の中で「廃棄物」にされているのか、という思いもわく ▼国連によれば、世界の食料生産量の三分の一は廃棄され、大量の穀物や水を与えて育てた肉の二割が捨てられているという。「いただきます」の六文字を口にする前にまず、「しんでくれた」の六文字をかみしめてみる。
少雪の今シーズンですが最後は勘定が合うんでしょうね。先が心配です。
排雪場の雪も少し姿が見えてきました。
山陽新聞「滴一滴」(2016年01月18日 07時35分 更新)
▼ 終始穏やかな語り口で、親しみやすさが印象的な女性だった。ちょうど3年前、台湾で民主進歩党(民進党)の蔡英文さんを取材した ▼中国との関係については「台湾の独自性や自立性を維持しながら付き合わねばならない。そのバランスが難しい」と語っていた。前年の総統選で国民党の馬英九氏に敗れ、雌伏の時期だったが、野心的な雰囲気は一切感じられなかった ▼そんな人柄も支持を集める一因となったのかもしれない。16日の総統選で蔡さんが圧勝した。689万票を獲得し2位に300万票以上もの大差をつけた。史上初の女性総統は5月に誕生する ▼告示直後の選挙戦を伝えるテレビのニュースでは、子豚の貯金箱を掲げ、蔡さんを応援する大勢の支持者らの姿が映し出されていた。小さい貯金箱を数多く配って少額の寄付金を幅広く募り、支持を広げる選挙活動だ▼活動は前回総統選の集会で、小さな子どもが家から持ってきた子豚の貯金箱を蔡さんに手渡したのがきっかけだ。大企業からの献金など巨大な資金を持つ国民党との違いを鮮明にする狙いがある。今回の圧勝は、草の根的に幅広く支持された表れである ▼子豚の貯金箱は3年前の取材時にも事務所に飾ってあった。台湾で豚は「福」の象徴とされる。最大の難題である中国との関係安定に、福は授けられるだろうか。
一人言:良い話だなぁ~。お金では買えないものもあるということですね。我が国はどっちを向いても甘い言葉に騙されてばかりで政治はどんどん遠ざかる。