好き放題のツミ作りなソーリはアベソウリ。アイアムソーリィです。
やっぱり数を持たせ過ぎですね。もう少し緊迫感を持たせないと良い政治になりません。
[京都新聞 凡語 2016年02月18日掲載]
老後の支え
▼まるで人ごとではないか。年金の積立金運用が悪化している状況への安倍晋三首相の国会答弁である。想定した利益が出なければ「当然支払いに影響する」と年金給付額を減らす可能性を言明した ▼運用悪化の理由は株価下落だ。株や債券で135兆円を運用しているが、昨夏の世界同時株安で3カ月間に7兆8千億円もの損失を出した ▼一時戻った国内株価も年明けから15%以上急落し、昨夏を上回る損失状況との見方もある。株など「持たざる者」も気が気でない ▼安倍政権は積極運用を成長戦略に掲げ、株式で運用する比率を5割に倍増させた。高い利回りとともに巨額資金の投入による株高が狙いだった。年金積立金という「人のふんどし」を都合良く使いながら、失敗した場合のツケは国民に回すという姿勢はいかがなものか ▼年金は皆の老後を支える貴重な財産だ。日本は現役世代が払う保険料で高齢者に給付する方式のため、少子高齢化で重くなる子、孫世代の負担軽減に積立金の備えが欠かせない ▼ここ2、3年通しての運用黒字はまだ一定あるが、株相場のもうけと損は表裏一体。年金資金がさらされる市場リスクは格段に高まった。かつて年金改革で掲げられた「百年安心」どころか、日々気をもむようでは家計の財布のひもも緩むはずない。
2016年02月
もう3日目になりますが気温が低いので融けないで張り付いています。
凍り付くようなコラムを以下に転載
琉球新報「<金口木舌>2016年2月18日 06:00
身内に甘い人たち
▼身を切る」には、つらさで体を切る厳しさがある。民主党政権下の2012年11月。安倍晋三自民党総裁は野田佳彦首相との党首討論で、消費増税のセットとして国会議員の定数削減という「身を切る改革」を約束した ▼消費税は8%になり、国民の負担は増した。一方で政治改革は一向に進まない。10%への引き上げは17年4月だが、自民党は衆院の定数削減を20年以降に先送りする。これでは「セット」と認められない ▼身を切るどころか、身内に甘い体質が閣僚や所属議員の失態を生んではいないか。最たるものは口利き疑惑による甘利明前経済再生担当相の閣僚辞任だろう。育休を宣言した宮崎謙介元衆院議員の不倫スキャンダル辞任も情けない ▼国が定めた除染目標の被ばく線量を「科学的根拠がない」と決め付けた丸川珠代環境相は発言撤回に追い込まれた。所管する「歯舞」を読めなかった島尻安伊子沖縄・北方担当相ら、あきれる面々が続く ▼国会議員は歳費約2200万円のほか、文書通信交通滞在費1200万円が支給される。立法事務費や公設秘書給与などを含めると1人当たり年6千万円はかかる ▼己に甘いは人の常とはいえ、国会議員がこれでは恥ずかしい。国民だけに身を切らせて恥じない政治でいいのか。政治改革を詰め切れない野党も含め、国会は身を切らない人の群れに見える。
寒さで雨氷が融けずに残っていて結構楽しめました。
宮崎日日新聞「くろしお」2016年2月17日
保育所も迷惑施設?
▼家の前がごみの集積場になった。朝、近所の数軒から集まる。以前はもっと広い区割り集積していたが、ごみ出しの適正化を図るために細分化されて、持ち回りになった。 ▼自治会の決定。当初はいい気分ではなかった。しかし交代の1年が迫ってきて「案外悪くない」と思える。まずごみ出しが楽。分別を通して顔の見える近隣関係が深まる。迷惑施設というほどではないが、世間的にそう呼ばれるものも主観的な見方が大きいようだ。 ▼社会的に必要と分かっていても、自分の近くでは抵抗感がある施設がある。どこかが折り合わなければ前に進まないが、ごみ出しのように持ち回りできないから難しい。ただ一般的に、がまんできる限界点が下がってきた風潮は感じる。 ▼ここも聖域ではないか、と慨嘆したのが保育所や認定こども園だ。住宅密集地では園児の声を「騒音」と感じる周辺住民も多く政府が防音壁設置費用を補助する事業を始めた。子どもを塀で囲んでまで、と複雑な気分だが、県内でも園が気を使っている実態はある。 ▼究極の迷惑施設といえば高レベル放射性廃棄物(原発から出る核のごみ)の最終処分地か。どこも手を挙げないため国は「科学的有望地」を提示し、自治体に申し入れる方針だ。それに比べれば保育所くらいで世知辛い、と思う面もある。 ▼迷惑施設もどこかで自分に役立っている。とはいえ小学校の運動会でも耐えられない人がいる、と想像することも福祉社会には大切だ。必要施設が特定の人々に与える負荷をどう分担するか、今後より高度な公共意識が求められるだろう。
旗もカチカチで雪が積もっています。動画ならわかるんですけどね。
毎日新聞「余録」 2016年2月16日
「雰囲気(ふんいき)」をパソコン入力しても漢字変換できないという人がよくいる。それもそのはず「ふいんき」と入力するためで、漢字を知りながらも「ん」と「い」を逆に発音している人が少なくないようだ▲この手の音の逆転でできた言葉に「だらしない」がある。元は「しだらない」が正しい言い方で、この「しだら」、サンスクリット語で秩序を指すとか、逆に自堕落(じだらく)が起源とか、擬態語のしどろから転じたとか諸説ある。「ふしだら」もこの言葉から生まれたそうだ▲いずれにせよ締まりがなく乱脈なことをいう「しだらない」である。語感をじっくり味わえば、いやでも頭をよぎるのがこのところの閣僚や与党議員の失態である。むろん口利き疑惑による甘利(あまり)明(あきら)前経済再生担当相の閣僚辞任がその最たるものなのはいうまでもない▲週刊誌報道をきっかけとした騒ぎでは、育児休暇を宣言した自民党の宮崎謙介(みやざきけんすけ)衆院議員の不倫スキャンダルによる議員辞職もひどかった。この騒動で溝手顕正(みぞてけんせい)自民党参院議員会長が「うらやましいと思う人もいる」と口をすべらせ、ひんしゅくを買ったのも情けない▲一方、国が定めた除染目標の被ばく線量に「何の科学的根拠もない」と仰(ぎょう)天(てん)講演をしたのは丸川珠代(まるかわたまよ)環境相で、発言撤回に追い込まれた。島尻安伊子(しまじりあいこ)沖縄・北方担当相が記者会見で北方領土の歯舞(はぼまい)の読み方を秘書官に教えられたのも、何とも締まりのない一幕である▲ルール違反あり、自堕落あり、しどろもどろあり−−緊張の緩みにもほどがある政権与党の「しだら」事情だ。もちろん責任の一端はこの有り様でも政権を脅かせぬ野党のだらしなさにある。
束の間の青空に雨氷の木々が輝いていました。実際はもっときれいだったんですが・・・・。へたくそでした。
千葉日報「忙人寸語」2016年2月13日
▼よくあるなぞなぞを。誰にも言えぬ秘密がある職業は(1)落語家(2)新聞記者(3)政治家-のうちどれ? 正解は新聞記者。書く仕事=隠し事。みな誰にも言えないことはある。ただ大抵は秘密と呼べるほど隠微でなく、個人情報に毛が生えた程度 ▼今なら(3)と答えそうだ。育休を取りたいと声高に訴えながら、妻の出産間近の“秘め事”がバレた国会議員が辞職した。今回のケース以外にも女性問題があったことが辞職の決め手になったというから呆(あき)れるばかり ▼謝罪会見なのに「理想と実現したい政治の追求へ出直す」と宣言した。全く笑い話だ。言行不一致というより、職業選択の不一致。どこぞの夜の片隅で、その“手腕”を発揮されたらいかがか ▼民主党はじめ、野党の追及が甘いと感じた人も多いはず。それもそのはず、かつてかの党でも、夜遊び上手なイケメン議員のオイタが露見した。同じ「脛(すね)に傷持つ身」というわけか ▼書く仕事をしていると、子育てに悩んだ母親が、子どもを道連れにする痛ましいケースに接する。許される解決策ではないが、背景には、この議員のような“意識低い系”夫の存在があるのかもしれない ▼これで、甘利前大臣の金銭授受問題の印象が薄れ気味だが、こちらも先日の会見だけでは全く納得できなかった。日本経済に尽くす切れ者の実態は単なる集金マシンか。早急な説明を望みたい。